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そのキャラの肌の色、本当に肌色ですか?


こんにちは!いかがお過ごしでしょうか?

今回は「色」について独学をしていく中で見つけた事などをお話していきたいと思います。


さてさて、皆さん。
普段絵を描く中で色を塗るときに何色を使うかどのようにして決めていますか?

絵にあまり詳しくない方は、その物が持つ固有色で塗りがちではないでしょうか。


※固有色=物体自身が持つ色


例えばリンゴ。この絵の色を塗るとき大半の方が「赤色」を持つことでしょう。
では、光も何もない真っ暗闇の中のリンゴを描くとしたらそのリンゴは「赤色」でしょうか?

想像してみてください。真っ暗な部屋の中でリンゴをみても「赤色」には見えませんよね。
真っ暗ですから当然黒か、まあ目が慣れてきて若干物体が見えるかもしれませんがそれでも初めに想像した「赤色」とは程遠いはずです。


では今度は青いネオンサインの隣にあるリンゴを描くとしましょう。
どうでしょう?皆さん何色を持ちますか?
光源と物の遠さなどもありますが、「リンゴの赤」と「ネオンサインの青」が合わさった「紫色」や「ネオンサインの青」になるはずです。



つまり何が言いたいかというと、「色を塗るときに固有色も大切だけど周りの環境も重要である」ということです。









少し実例で見ていきましょう。
例えばこのイラスト、「Paradox Live」という作品のキャラクターですが、左側がこの絵で使用している色。右側が公式様のキャラの色です。





次は今年の年賀状の「光が当たっている」部分と「影になっている」部分の肌の色の差です。



こうして取り上げてみると特に肌に関しては全く肌の色見えない部分元の肌の色の印象とはかけ離れているように見えますが、全体でみるとそれっぽく見えるのは初めにお話しした「環境」の影響です。
信じられない方は色んな画像をダウンロードしてスポイトで拾ってみてくださいね。



私はこの事実を初めて知ったときにあまりにも衝撃的過ぎて、そこら中の好きな絵師さんの絵を借りてスポイト機能で色を拾いまくっては「そんな色使ってたのかー!(雷ドーン!!)」となったことを鮮明に覚えています(笑)
その日からは現実の写真でも試してみたり、ある時には「スポイトを使わずに隣に置いた写真と同じ色にする!」なんていう練習をしてみたりしてました。

そんなことをしている内に気が付けば、この色はこの辺だなと目がスポイトのような機能を果たすようになってしまいました(笑)
お陰で日常生活でも役立ってたり役立ってなかったり…?






1つ、スポイトで色を拾いまくってた時に気が付いたことがあるのですが、現実の写真や人気なイラストレーターさんの絵の色を拾うと下の画像のように大半がカーソルが綺麗な弧を描いているんです。


反対に初心者の方の絵を拾うとカーソルがバラバラに動くんです。
(拾うときはキャラクターの肌の中だけ、髪の毛の中だけと部位ごとにやっています。)

これは色だけでなく立体的な把握が出来ているから等の様々な要因がありますが、私は弧を描くように配色するだけで絵のレベルが上がったり、なんかこの絵変だなと思ったときに意識するだけでイラストが安定したという経験があるので是非試してみてください。
自分で自分の絵を確認するときの分かりやすい指標の一つとなるはずです。




というところを理解して頂いたところで次回はまた新しい事を説明しながら「初心者でも簡単に出来る絵のクオリティを上げる方法(色編)」をご紹介していきたいと思います。
勿論、絵のレベルを上げるには物の描き方も必要ですが色を理解すれば線画のレベルも上がってしまうのでお楽しみに。





もし今回の説明を読んでもっと詳しく知りたいと思った方は是非こちらの書籍がおススメなので読んでみてください。(案件じゃないですよ!)

カラー&ライト ~リアリズムのための色彩と光の描き方~

定価:4,180円(本体3,800円+税10%)






何か質問や時々絵のアドバイスなんかもしているので私で良ければDMやリプ等でどんどん送ってください!
それではまた次回